気密測定でわかる「C値」は、家にどれくらいの隙間があるかを表す数字です。ここでは、その隙間を身近なモノの大きさで体感できるツールと、測定報告書の数値の読み方をまとめました。

C値って、実際どのくらいの穴?

気密測定の結果は「C値 0.5」のように数字で出ますが、この数字だけでは家にどれだけの隙間があるのか、なかなかイメージできません。ここでは、C値を「穴の大きさ」に置き換えて、名刺やパスポートと比べながら説明します。

C値の意味

C値(相当隙間面積)は、床面積1m²あたりに、何cm²の隙間があるかを表す数値です。

C値(cm²/m²) = 総相当隙間面積 αA(cm²) ÷ 実質延床面積 S(m²)

つまり、家全体の隙間の合計は

家全体の隙間(cm²) = C値 × 延床面積(m²)

で求まります。同じC値でも、家が大きいほど隙間の合計は大きくなります。

延床面積120m²の家で比べると

C値家全体の隙間だいたいこの大きさ
5.0600cm²A4用紙 1枚(210×297mm)
2.0240cm²パスポート 約2冊分
1.0120cm²パスポート 1冊(91×128mm)
0.560cm²名刺 1枚強(55×91mm)
0.224cm²名刺の半分
C値 5.0600cm²(約24.5cm角)
C値 2.0240cm²(約15.5cm角)
C値 1.0120cm²(約11cm角)
C値 0.560cm²(約7.7cm角)
C値 0.224cm²(約4.9cm角)

家じゅうの小さな隙間を一か所に集めると、この大きさの穴が一年中開きっぱなし、という意味です。断熱材をどれだけ厚くしても、ここから空気は出入りします。

床1m²で見ると

C値0.5の家では、床1m²ごとに約7mm角の穴がひとつ。1m四方の床に置くと点にしか見えません。でもそれが120m²の家では120個あり、集めると名刺1枚分になります。

C値・n値 すきま可視化ツール

C値と延床面積を入れるだけで、家全体の隙間を「名刺・パスポート・A4の何枚分か」に換算し、実寸の図で表示します。お手元の報告書の数値を入れてみてください。

このツールは C値 × 延床面積 で隙間の合計を計算し、身近な物の面積に換算して表示しています。n値による図の分割はイメージであり、実際の隙間の箇所数を示すものではありません。図に描かれる面積は有効断面(αA)に基づくため、実際の物理的な隙間はこれより大きくなります。

測定報告書の見方

気密測定を受けると、C値以外にもいくつかの数値が報告書に載ります。それぞれの意味です。

総相当隙間面積 αA(cm²)

家全体の隙間を合計した面積。正確には「流量係数α × 単純開口面積A」で、空気が隙間を通るときに流れが絞られる(縮流する)ため、実際に空気が通れる有効な断面積を表します。気密測定では単純開口面積Aそのものは求められず、実際の物理的な隙間はαAより大きくなります。

隙間特性値 n値(1 ≦ n ≦ 2)

差圧と通気量のグラフに引いた回帰直線の傾きで、隙間の大きさ・形状・数をまとめて数値化したものです(JIS A 2201)。

  • 1に近い:微細で空気が通りにくい隙間が、外皮上に点在している状態
  • 2に近い:大きくて空気が通りやすい開口が、1つ以上ある状態

C値が同じでも、n値が2に近い場合は「どこかに目立つ穴がある」可能性が高く、場所を特定して塞ぐと大きく改善します。

決定係数 R²

測定した各点が直線上に並んでいる度合い。1に近いほど分析の精度が高く、気密測定では0.98以上が求められます。R²が低い測定結果は信頼性に欠けます。

50Pa時漏気回数 ACH50(回/h)・50Pa時通気量 Q50(m³/h)

参考値として記載されることがあります。海外の気密指標と比較するときに使われます。

報告書の例

項目値の例
総相当隙間面積 αA60.2 cm²
隙間特性値 n1.23
相当隙間面積 C値0.52 cm²/m²
決定係数 R²0.999
50Pa時漏気回数 ACH501.1 回/h

この例は、隙間の合計が名刺1枚強で、n値が1に近く微細な隙間中心、測定精度も高い、という読み方になります。